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【冊子発行】馬との時間が変える、子どもの未来と大人のあり方〜森のようちえんの次のステージへ

【冊子発行】馬との時間が変える、子どもの未来と大人のあり方〜森のようちえんの次のステージへ

馬は、僕らに様々な贈り物を無条件に与えてくれます。
その贈り物は、僕らの心身を満たし、幸せに生きていく源泉となります。

「あとがき」より

この冊子は、森のようちえんで子どもたちと向き合う大人に、新しいアイデアと視点を届けてくれる一冊です。馬と一緒に暮らしながら、子どもたちがどう成長していくのか。その実践例と背景にある想いがぎっしり詰まっています。

たとえば、ホースセラピーが子どもたちにどんな効果をもたらすのか、馬を中心にした活動がどのように自己肯定感を高めたり、身体の育ちを促したりするのか。本書を読むと、その具体的な様子がよくわかります。そして何より、馬が教えてくれる「人間中心じゃない視点」が、子どもたちと向き合う大人にとって大きなヒントになるはずです。

中でも重要な視点なのは、「馬を先生にする」という考え方。子どもに何かを押し付けるのではなく、馬という存在を通して、子ども自身が持っている力を自然に引き出していく。そのプロセスは、森のようちえんで大切にしている価値観を再発見することにつながるでしょう。

また、馬と関わる中で大人自身も「自分のあり方」を見直すきっかけが得られるという点もポイントです。馬とのやり取りは、瞬間瞬間の反応が求められるため、自然と感覚や身体性が磨かれていきます。こうした経験は、子どもたちとさらに良い関係を築く手助けにもなります。

馬と子どもたちの豊かな現場から生まれた学びを、森のようちえんの取り組みにぜひ取り入れてみてください。森のようちえんの可能性を広げる、新たな一歩が見えてくるはずです!

馬との暮らしが生み出すもの
〜力が湧く子どもの身体を育む

目次

  • 馬が自然が子どもを癒やし成長させる
  • 頭より先に動く身体
  • 馬と出会い「楽しかった!」の裏側で起こっていること
  • 大人も馬から学び、子どもとの関わりに活かす
  • 馬と身体と、〈あり方〉の養い方
  • 子どもがワクワクする場をつくるために、何が必要なのか?

はじめに

 僕は2016年から馬との暮らしを始めて、今では毎月延200名程の子どもたちがやってきます。その中で、多くの豊かな時間を経験してきました。これは、馬のいる現場に限らず、様々な現場で子どもに関わる支援者・指導者、子育て中の親にとっても、子どもの健やかな育ちにおいて本質的で大切なものが詰まっています。さらに、ここには人間を中心とした社会で感じられる様々な生きづらさや困難さを解決する糸口があると感じています。

 馬との間で起こることは、感覚的で個人的なものなので、言葉にすることが難しいものです。しかし、この経験を多くの人にも知ってほしいという願いから、この数年どうしたら伝えられるのかと試行錯誤してきました。

 本書には6つの文章が収められていますが、それぞれ独立しているので、気になる物からお読みください。前半がより具体的な内容で、後半に進むにつれて少し抽象的な内容となりますので、このような現場に触れたことがない方は、順番に読んでいただいた方が、現場で起こっているイメージが掴みやすいかもしれません。  馬がもたらす豊かな世界を言葉で伝えきることはできませんが、その入り口まで誘うことが出来たら嬉しく思います。本書が、皆さんの日常の暮らしや生き方をより良いものに変化する一助になることを願っています。

あとがき

 三陸駒舎では「ホースセラピーの取り組みをしている」と話すことがありますが、自分で話しているにも関わらず、全くしっくりきていません。ホースセラピーと言うと、「馬に癒やしてもらえるんですね」と短絡的に捉えられたり、「どんな効果があるのですか?」と質問を受けることもあります。分かりやすく(しっかり答えると、とても長くなる感じもあって…)「乗馬するとバランス感覚が良くなります」などと説明をすることもありますが、それは枝葉の部分で、それもあるけど馬と過ごすことで訪れる本質的なものは、別の所にあると思っています。もっと命に近くて本原的なことが、馬との間で起こっている感覚があります。本原的なことは簡単には伝えられないこともあって、色々な視点で文章を綴りました。

 本書では、日々現場で起こっている子どもたちのエピソードや保護者の声を交えつつ、様々な理論や学問的な思考の力も借りながら、馬がもたらしてくれる世界を少し言葉にしてみました。(言葉に出来る部分は本当にわずかです。その奥には、無限に広がる世界があります。)さらに、馬や自然と共にした活動は、非日常の体験とよく言われます。最終的には日常に変化が訪れないと意味がないと考えていることから、非日常の体験を日常の生活に橋渡しするためのヒントも指し示したつもりです。
 馬は、子どものみならず大人にとっても良き先生となってくれます。僕らを様々な囚われから解き放ち、幸せに生きるための身体を養ってくれる存在です。ただ馬がいれば良いというわけではなくて、命に寄り添う馬の暮らしの型をつくっていくことで、それは自然と起こります。本書を読んで、「これって、どういうこと?」と思ったことも、馬に出会えば一発で「こういうことか!」という感覚が身体に訪れます。馬は、僕らに様々な贈り物を無条件に与えてくれます。その贈り物は、僕らの心身を満たし、幸せに生きていく源泉となります。

 馬との暮らしが生み出すものに興味を持たれた方は、三陸駒舎の現場にお越し下さい。共に馬から学んでいきましょう。馬たちとお待ちしています。

馬との暮らしが生み出すもの〜力が湧く子どもの身体を育む

  • 著者:黍原 豊
  • 2024年11月1日 初版 第1刷
  • 発行・印刷・製本 一般社団法人三陸駒舎
  • 定価:800円

送料:185円

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Profile image
全国で教育的な牧場を経営する寄田と復興まちづくりに携わる黍原を中心に2015年4月に設立。築90年の古民家を拠点に、馬と共に暮らす地域文化をベースにエコツーリズムやホースセラピーなど新たな仕事を起こし、誰もが心豊かに過ごすことのできる持続可能な地域の未来をひらきます。2017年の年より障害児を対象としたセラピー事業も開始。

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