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命の根を育てる環境とは何か——ポッドキャストで届ける、森のようちえん3つの実践

2026年3月3日


森のようちえんの現場にいると、日々の実践に追われながらも、ふと立ち止まる瞬間があります。

「私たちは、子どもの“命の根”に、どんな環境を手渡しているのだろうか」と。

今回ご紹介するのは、走林社中が配信しているインターネットラジオ「シャチュラジ」で制作した、森のようちえん関係者のエピソード3本です。

シャチュラジは、走林社中のメンバーが、日本全国で自然の中での体験活動に取り組む実践者をゲストに招き、その背景にある思想や葛藤、展望を掘り下げていくラジオ番組です。
走林社中は、自然体験活動の実践者・プロデューサーが集まり、「2045年の日本をよりよくする」という構想のもと、政策提言・研究・企業連携・オンラインサロン「ももの部屋」などを展開しているネットワークです。シャチュラジは、その活動をより多くの人に届けるために始まった音声メディアでもあります。

三陸駒舎の黍原は、シャチュラジの運営をサポートしています。これまでに、森のようちえんに関わる実践者をゲストに迎え、3つのエピソードを制作しました。

共通しているのは、「自然がいい」「外遊びが大事」という話にとどまらないことです。

  • 動物の存在が、子どもを整えていくという実感
  • 生まれながらに持つ命の躍動を、どう守るかという原点
  • 親を巻き込み、暮らしを変え、地域へ広がっていく実践


切り口は違いますが、3本が向き合っているのは同じ問いです。

命の根を、どう育てるのか。

森のようちえんは、子どもの保育実践であると同時に、大人の生き方や地域のあり方まで含んだ営みでもあります。
現場が続くほど、その問いは深く、広くなっていきます。

忙しい日々の中で、理念を語る時間は後回しになりがちです。
だからこそ、少しだけ立ち止まり、音声でじっくり耳を傾けてみていただけたらと思います。


 

1)動物がいると、子どもは自分を整える


046 動物がいると、子どもは自分を整える


ゲスト:自然育児 森のわらべ多治見園 園長 浅井智子さん

 

この回は、僕自身が強く揺さぶられた回です。

森のようちえんのその先、学童期の違和感。
「自分軸で生きる」ことを大事にしてきた子どもたちが、制度やルールの中で戸惑う姿。そこに向き合い続けてきた浅井さんが辿り着いたのが、“動物の存在”でした。

北海道での修学旅行。動物の世話を条件にした6日間。
大人が「起きなさい」と言わなくても、子どもたちは自分で起きてくる。なぜなら、餌をあげなければ命がつながらないからです。

そこにあるのは、指導でも管理でもなく、命との関係性そのもの

羊が来て3ヶ月。里山で子どもたちの顔つきが変わる。
「命が濃い」という言葉は、決して比喩ではありません。

動物は説得しません。
けれど、子どもを整える。

「環境を整える」とはどういうことか。
運営者・保育者として、深く考えさせられるエピソードです。


 

2)命の躍動を、そのまま育てたい


026 命の躍動をそのまま育てたい


ゲスト:つちのこ保育園 園長 高濱菜奈子さん

 

この回は、原点に立ち返らせてくれる回です。

高浜さんが語るのは、「命は、生まれながらにして自分を育てようとしている」という実感。
出産の瞬間に見た赤子の動き。その躍動を、私たちはどれだけ信じているだろうか。

カンボジアで目にした子育て。
子どものサインを読む感覚。
管理よりも観察、統制よりも信頼。

この回で浮かび上がるのは、
子どもの内側から立ち上がる秩序を信じるという姿勢です。

レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を「ホームベース」にするという言葉も印象的でした。

制度が変わっても、教育の流行が移り変わっても、
守りたい中核は何か。

忙しい現場ほど、静かに効いてくる回です。


 

3)心の根を育てる——親を巻き込み、暮らしを変える


020 心の根を育てる森のようちえん

ゲスト:NPO法人Akitaこどもの森 小玉朋子さん

 

この回のキーワードは「根っこ」です。

小玉さんは何度も「心を強く」と語ります。
体だけでなく、心。
折れても立ち直れる、太い根。

親子サークルから始まり、認定こども園へ。
親も一緒に関わり、火をおこし、場を動かす。
すると親が変わり、暮らしが変わり、地域が変わっていく。

さらに木育へと広がり、森の循環へと接続していく実践。
活動は広がっても、軸はぶれません。

命の根を育てる。

社会課題に向き合いながら、幼児期の体験がその後の人生を支えると本気で語る姿勢に、強い覚悟を感じます。

3本それぞれ切り口は異なりますが、
共通しているのは「子どもだけを見ていない」ということです。

動物。森。暮らし。親。地域。
すべてが絡み合いながら、命の根を育てていく。

ぜひ時間をとって、耳を傾けてみてください。
きっと、ご自身の現場と重ねながら聴くことになるはずです。


 

▶︎ シャチュラジの他のエピソードもぜひ


シャチュラジでは、森のようちえんに限らず、全国で自然体験活動に取り組む実践者へのインタビューを継続的に配信(毎週月曜日12時に配信)しています。

各地域で奮闘する仲間の声、制度や社会との向き合い方、運営の葛藤や展望——音声だからこそ伝わる温度があります。

今回の3本を入口に、ぜひ他のエピソードにも耳を傾けてみてください。
思わぬ出会いや、新たな視点がきっと見つかるはずです。


Spotifyの他に、各種ポッドキャストやYoutube等でもお聴きいただけます。

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