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馬という「鏡」の前に立つとき、保育者自身の身体が問われる──古武術×ホースセラピー「馬と身体合宿」(岩手・釜石)2026年5月

2026年4月6日

 

子どもたちの「ありのままを受けとめる」場をつくっている人ほど、自分自身が「ありのままで在れているか」を問われる機会が少ない。

森のようちえんの実践者であれば、そういう感覚に覚えがあるのではないだろうか。

子どもと自然の間で、ただ「在る」ことの豊かさを知っているのに、いつのまにか自分は段取りを組み、評価し、次の展開を先読みしている。保育の場で「待つ」ことの大切さを語りながら、自分の身体は緊張と力みに満ちていたりする。

この合宿は、そういう問いを正面から突きつけてくる。

馬は、あなたの「内側」を見ている

岩手県釜石市、三陸の山あいに築100年超の「曲り家(まがりや)」がある。人と馬が同じ屋根の下に暮らすこの建物を拠点に、一般社団法人三陸駒舎の黍原豊は、ホースセラピーと自然体験教育を続けてきた。

馬は、こちらの言葉や表情よりも先に、内側の状態を感知する。緊張しているのか、力んでいるのか、あるいはただそこに在れているのか。馬の前に立つと、その問いを言語化する前に、馬が答えを返してくる。

森のようちえんで子どもたちと過ごす時間に似た何かが、ここにある。子どもも、馬も、「正しさ」を問わない。評価のない関係の中でだけ現れてくるものが、たしかにある。

「力まないこと」を、身体で学ぶ

この合宿に古武術研究家・方条遼雨さんが加わることで、もうひとつの軸が生まれる。

方条さんのワークは、「頑張ること」の逆を教える。日常の中に積み重なった無意識の「力み」を照射し、それを抜くことで、身体本来の動きと他者との連動性が引き出される。

保育の現場で「力を抜いて子どもに関わる」とはどういうことか。言葉で知っていることと、身体でわかることの間には、大きな溝がある。方条さんのワークはその溝に直接触れてくる。

二人一組でのワーク、馬との応答、そして夜の対談。3日間を通して、古武術で解きほぐされた身体が馬の前に立ち、また馬との時間が身体ワークの理解を更新する。この往復が、この合宿の核心にある。

「評価なき空間」を、自分が体験すること

森のようちえんが大切にしていることのひとつは、子どもが自分のペースで、評価されずに自然と関われる時間だろう。

しかし、その空間をつくる側の大人が、じつは日常的に評価の外に出たことがない——ということは、案外少なくない。

馬と身体合宿の参加者がよく語るのは、「正しくやろうとしていた自分に気づいた」という言葉だ。馬の前では、上手くやることができない。それがわかったとき、はじめて何かが動き出す。

この体験は、保育者として子どもと関わる質を、静かに、しかし確実に変えると思う。

場所そのものが、学びになる

合宿の場となる三陸駒舎は、釜石市の山間部に位置する。築100年を超える曲り家で、馬3頭と共に暮らしながら、放課後等デイサービス・児童発達支援・自然体験教育を一体的に運営している場だ。

南部鉄器の釜で炊いたご飯を食べ、馬の世話をし、夜は対談を囲む。「衣食住を共にする面白さ」という参加者の声が示すように、この場にいること自体がすでにプログラムになっている。

森のようちえんの実践者であれば、この場の設計に、共鳴するものがあるはずだ。

▼ 2026年5月の合宿(参加募集中)

詳細は「馬と身体合宿」の専用サイトへ

Screenshot

馬と身体合宿

方条遼雨(古武術)と三陸駒舎(ホースセラピー)による、身体の機謙を整える3日間の集中合宿。


過去の馬と身体合宿について語ったポッドキャスト